- 1.カンボジア不動産投資の特徴
- 1-1.投資対象はアパートやコンドミニアムのみ
- 1-2.将来性がある
- 1-3.アメリカドルの利用が可能
- 1-4.非居住者でも口座開設ができる
- 2.カンボジアの銀行で口座開設をする際の流れ
- 3.カンボジアの銀行で口座開設をする際必要な書類
- 4.カンボジアで銀行の口座を開設する際の注意点
- 4-1.パスポートと初期入金費用が必要
- 4-2.日本に支店がないケースもある
- 4-3.定期預金の途中解約は不可
- 4-4.取引がないと口座凍結する可能性も
- 5.口座開設をおすすめするカンボジアの主な銀行
- 5-1.カナディア銀行
- 5-2.アクレダ銀行
- 5-3.ABA銀行
- 5-4.パブリック銀行
- 5-5.サタパナ銀行
- 5-6.プノンペン商業銀行
- 6.まとめ
カンボジアの銀行で口座開設する際の流れは、日本の銀行で口座開設するときと大きな違いはありません。ただし、銀行によっては現地で手続きをしなければならないケースもあるため注意してください。
この記事では、カンボジアで口座開設をする際の流れや必要な書類、主な銀行などについて解説しています。カンボジアで不動産投資を行う場合、現地銀行の口座は欠かせないため、投資を検討している方はぜひ参考にしてください。
カンボジア不動産投資の特徴
ここではカンボジアの不動産投資にはどのような特徴があるのか解説します。
投資対象はアパートやコンドミニアムのみ
カンボジアでは外国人でも不動産投資ができますが、投資対象が限られている点が特徴です。具体的には、アパートやコンドミニアムなど、生活設備が備わっている宿泊施設です。なお、物件の条件も集合住宅の2階以上や全床面積の70%以下などの制限があるため注意してください。
将来性がある
カンボジアは今後の経済発展が期待される国です。リーマンショックの影響で一次的には不安定な状況となりましたが、現在は経済発展を遂げており、情勢も安定しているため、今後もさらなる成長が期待できます。
数多くの企業が進出しており、カンボジアの国内総生産は、成長率が今後も伸びると予想されているほか、観光業の成長も期待できます。
そのほかにも、少子高齢化の進む日本とは異なり、若い世代が多い点も今後の経済成長を予想させるポジティブな要因だといえるでしょう。
アメリカドルの利用が可能
カンボジアには「リエル」という自国通貨がありますが、アメリカドルの使用も可能です。例えば、現地での買い物はもちろん、家賃の支払いなどにもアメリカドルを使えるため、為替変動の影響を受けにくいです。不動産投資先として、経済発展が著しい東南アジア諸国が注目されていますが、アメリカドルが使用できる点でカンボジアは大きな特徴があるといえるでしょう。
非居住者でも口座開設ができる
一般的に多くの国では非居住者は口座を開設できませんが、カンボジアは非居住者の外国人でも現地の銀行で口座開設が可能です。この点は東南アジア各国の中でも特徴的だといえるでしょう。
また、カンボジアは定期預金の金利も比較的良いとされているため、家賃収入をカンボジアの口座で管理しておくと金利面での恩恵も得られます。
※非居住者に課される税率は居住者と比較して高いとされているため注意してください。
カンボジアの銀行で口座開設をする際の流れ
カンボジアで不動産投資を行うには、銀行の口座開設が必要不可欠です。カンボジアの銀行で口座開設をする際の大まかな流れは以下の通りです。
・開設したい銀行の窓口に行く
・口座開設したい旨を伝える
・申込書に必要事項を記入して提出する
・必要書類を提出する
・初期費用を入金する
・(必要に応じて)オンラインバンキングの利用設定を行う
・口座開設完了
なお、キャッシュカードなどは後日郵送で届きます。必要書類に不備がなければ30〜60分程度で手続きは完了します。また、銀行によっては郵送やオンラインでの申し込みにも対応していますが、本人確認のために現地の銀行の窓口にいかなければならないケースもあるため注意してください。
カンボジアの銀行で口座開設をする際必要な書類
カンボジアの銀行で個人で口座開設をする場合、主に以下の書類が必要です。
・パスポート
・パスポートの公証書
・銀行公証書類
・銀行の申請書類
など
また、銀行によってはカンボジアのビザや住所を証明する書類、カンボジアの携帯電話番号などが必要となるケースもあります。
また、法人として銀行口座を開設する場合は、主に以下の書類が必要です。
・役員および株主のパスポート
・会社設立証明書
・現在事項証明書
・定款
・役員登記
・株主登記簿
など
なお、書類は日本語のものだけでなく、英訳したものも必要となるため注意してください。
カンボジアで銀行の口座を開設する際の注意点
ここではカンボジアの銀行で口座開設をする際の注意点を紹介します。注意点を把握していないと思いがけないトラブルが発生する可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
パスポートと初期入金費用が必要
カンボジアのような海外の銀行で口座開設する際は、パスポートが必要です。そして、パスポートの有効期限に注意しなければなりません。基本的には、6ヶ月以上の有効期限が残っていないと提出を認められないため、口座開設手続きをする前に期限を確認し、必要に応じて更新をしておきましょう。
また、口座開設に伴い初期入金費用が必要となるため用意してください。銀行によって金額は異なりますが、10ドル程度が一般的です。
日本に支店がないケースもある
カンボジアの銀行が日本の銀行と提携している、日本に支店を持っている場合は、日本でも手続きができたり、日本語でサポートを受けられたりして便利ですが、必ずしも全ての銀行がそうとは限りません。
中には日本支店を持っていない銀行もあり、そのような場合は口座開設をはじめとした各種手続きを現地に出向いて行う必要があります。また、必要に応じて通訳を手配する必要もあるでしょう。
定期預金の途中解約は不可
日本の銀行であれば、定期預金でも手続きを経て解約し、積み立てた金額を引き出すことができますが、カンボジアの銀行は基本的に定期預金の解約はできません。また、解約できたとしても利息分は返還されず元金のみが返ってきます。さらに、利息収入に対して課される税金は差し引かれるため、結果的にはマイナスとなるため注意してください。
取引がないと口座凍結する可能性も
カンボジアの銀行は、1年以上取引がないと口座が凍結される可能性があるため注意してください。たとえ、初期段階で多額の入金を行っていても、1年以上の取引がないと口座凍結となり、利息収入が得られなくなります。また、凍結解除の手続きには費用がかかるほか、場合によっては現地の窓口に足を運ばなければならないケースもあるため、定期的に口座取引を行ってください。
口座開設をおすすめするカンボジアの主な銀行
ここではカンボジアの主な銀行を紹介します。これから現地の銀行で口座開設をしようとしているものの、どの銀行にするべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。
カナディア銀行
カナディア銀行は、カンボジアの大手金融機関の1つです。2013年には日本事業本部を設置するなど、日本人向けのサービスを提供している点は特徴だといえます。カンボジア国内でもシェア率が高く、資金力にも優れていることから銀行破綻などのリスクは少ないといえるでしょう。
また、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などとも提携している点は、日本人にとって大きな安心材料となります。
アクレダ銀行
アクレダ銀行は、カンボジア証券取引所(CSX)に上場している銀行です。筆頭株主が三井住友銀行であり、オリックスも株式を保有するなど、日本とのつながりもあります。また、日本から郵送での口座開設にも対応している点は、大きな魅力だといえるでしょう。
そのほかにも、アクレダ銀行では、デビットカードの発行も行っているため、例えば家賃収入による利息を日本での買い物に使用することも可能です。さらに、アメリカドルだけでなく、リエルやバーツなどでの口座開設にも対応しているため、リスクを分散できる点もメリットだといえます。なお、アクレダ銀行はアプリでの口座管理ができますが、アプリへのログインにはカンボジアの電話番号が必要であるため注意してください。
ABA銀行
ABA銀行は、カナダ・ナショナル銀行が運営する外資系の銀行です。外資系とはいっても、カンボジア国内に約80の支店を持つなど、規模は大きいといえます。運営母体であるカナダ・ナショナル銀行は、カナダ国内でも大手の銀行ということもあり、経営面で安定している点が特徴です。また、デジタルバンキングや国際送金サービスが充実しており、日本からの口座管理も行いやすいでしょう。例えば、アプリをインストールすれば、キャッシュカードなしで送金が行えます。
ABA銀行に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
・ABA銀行とは?カンボジア・日本での口座開設時の様子を紹介
パブリック銀行
パブリック銀行は、マレーシアのパブリック銀行を運営母体としている銀行です。パブリック銀行が全額出資して設立された完全子会社という関係となっています。マレーシアの銀行が母体ということで、安定した経営が見込まれるでしょう。また、りそな銀行と業務提携しており、りそな銀行で法人口座を所有している企業であれば、海外進出支援を受けられます。そのほかにも、パブリック銀行はJCBとも連携しています。そのため、カンボジア国内のパブリック銀行の加盟店ではJCBカードの利用も可能です。
サタパナ銀行
サタパナ銀行は、日系商業銀行であるマルハンジャパン銀行と、カンボジアのマイクロファイナンス期間であるサタパナリミテッドの合併によって誕生した銀行です。ジャパンデスクを設置している点が特徴で、現地の本店にも日本人行員と日本語スピーカーが常駐しているため、言語面での不安はほとんどないでしょう。2018年には資本を増額し、事業拡大に取り組むなど、今後の成長が期待される銀行です。
プノンペン商業銀行
プノンペン商業銀行は、SBIホールディングスと韓国の現代グループの共同出資で設立された銀行です。2016年に、韓国の金融機関に全持株が売却されたため、現在は韓国系母体の銀行となっています。それでもジャパンデスクを開設し、日本人行員も勤務するなど、日本人にとっては利用しやすい銀行です。海外進出を検討している企業にとっては選択肢の1つとなるでしょう。
まとめ
今回は、カンボジアの不動産投資の特徴や現地の銀行での口座開設の流れ、おすすめの銀行などについて解説しました。カンボジアで口座開設をする場合、手続きの一般的な流れは日本の銀行と大きな違いはありませんが、銀行によっては現地を訪れて手続きをする必要があるため、実際に口座を開設するまでに時間がかかる可能性があります。また、ジャパンデスクを設置している銀行や日本語に対応している銀行などもあるため、言語面での不安がある方は日本語に対応している銀行を選ぶようにしましょう。