東南アジアの一国であるラオスは、経済成長に伴い不動産市場も拡大傾向にあり、多くの海外不動産投資家から注目を集めています。当記事では、ラオスの概要・不動産市場の状況・将来性、投資対象としてのメリット・デメリット・投資のポイント・おすすめのエリアまで幅広く解説しています。
大きな可能性とチャンスを秘めているラオスの新興市場で、不動産投資に取り組んでみたい方は、ぜひ参考にして下さい。
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ラオスの概要
ラオスは、タイ・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・中国と国境を接する内陸国で、首都はビエンチャンです。山岳地帯が多く温暖なモンスーン気候が特徴で、年間を通じて夏服で過ごすことができます。季節は暑季・雨季・乾季の3つの季節に分けられます。
人口は約750万人と非常に少なく、ラオ族を中心に多数の民族が共存する多民族国家です。宗教は国民の約6割が仏教を信仰しており、その多くは厳しい修行と戒律で知られる上座部仏教を信仰しています。その他はイスラム教・キリスト教などで、少数民族ではアニミズムと呼ばれる精霊信仰を信仰している人が多くいます。
政治は人民主共和制を採用した社会主義国家であり、人民革命党による一党指導体制が基本です。経済は近年急速に成長しており、主要産業は農業・鉱業・縫製業・サービス業で、特に観光業や運輸業を中心としたサービス業が経済成長に大きく貢献しています。
ラオスの不動産投資の基礎知識
ラオスで不動産投資を行うのであれば、不動産投資を取り巻く状況や法制度、人気エリアや今後の見通しなどを把握しておくことが重要です。下記に解説していますので、参考にして下さい。
ラオスの経済と不動産市場の現状
ラオスは経済成長が目覚ましく、中国・ベトナム・タイ等の近隣国とも経済的関係性を強化しており、毎年安定した経済成長率を維持している国です。コロナ禍により一時的な落ち込みは見られましたが、現在では回復しつつあります。
近年ではインフラ整備にも注力しており、生活利便性の向上やビジネスの活性化に大きく貢献しています。特に道路網・鉄道といった交通インフラの開発は大きく進展しており、一時期停滞していた観光業も回復が進んでいる状況です。このような背景が後押しとなり、都市開発や住宅需要の増加が進むなど、不動産市場も拡大傾向にあります。
また現状ではラオスは周辺国と比較しても不動産価格が低い水準にあるため、低予算・低コストでの投資が可能です。首都ビエンチャンにおいても不動産価格の水準は低めであり、高利回りが期待できる潜在的な投資機会が残されているため、「アジア最後のフロンティア」として海外投資家から大きな注目を集めています。
一方で、都市部を除くとインフラの整備が進んでいなかったり、物件価値が安定しなかったりと、エリアによる温度差が大きいという課題もあります。
ラオスは全体的に見ると、不動産需要の拡大と不動産価格の上昇が継続しており、魅力的な投資先であるというのが現状です。
出典:The Global Economy.com「Laos: Economic growth」
法律・制度・税金
ラオスで外国人が不動産投資を行うには、法律・制度・税制について理解しておくことが重要です。
まず土地は国有であるため、ラオス人はもちろん外国人は土地を所有することが法律で禁止されていることを理解しておく必要があります。土地を利用するには、政府の許可を得て長期リース契約を結ぶ必要があります。一方で、建物の所有権に関しては外国人も取得可能となっており、賃貸収益や売却益を得ることが可能です。
税制面では不動産取得時には取得税が課され、賃貸収益には所得税、売却時には譲渡所得税が発生します。収益発生時には現地のルールに従い申告と納税が求められるため、不備のないように準備しておく必要があります。日本とラオスの間では二国間租税条約が締結されていないため、二重課税となる可能性がある点には注意と対策が必要です。
ラオスでは上記のような制約や制限だけでなく、投資奨励法により特定の条件下における税金・土地利用・事業活動等に対する優遇措置が定められています。特にSEZと呼ばれる12ヶ所の経済特区においては、エリア別に個別の優遇措置が設けられており、多数の事業者が進出しています。
不動産市場の今後の見通し・将来性
国内の経済成長や周辺国との経済関係強化の影響を受け、ラオスの不動産投資は今後も発展すると予想されています。
特に下記のような要因が不動産市場の発展を後押しすると考えられます。
- アジア開発銀行や日本からの支援により、風力発電所・水力発電所といった発電施設や、道路・橋梁・路線バスといった交通インフラが整備され、工業団地の開発が進んでいる
- 観光業の回復により観光関連の施設やホテルの需要が高まり、観光地周辺の投資機会が拡大
- ASEAN経済貿易自由化により貿易が活性化し、海外企業からの投資が増加しており賃貸需要が増加、今後物流拠点としての発展も期待されている
一方で、不動産市場の未成熟さ、法制度の未整備、インフレ・通貨変動といったリスクも存在します。
ラオスの不動産市場は成長余地が大きく将来性があると言えますが、希望的観測ではなく多角的な視点からの慎重な市場分析が重要となるでしょう。
出典:sitatista「Laos: Growth rate of real gross domestic product (GDP) from 2019 to 2029」
ラオスで不動産投資を行うメリット
ラオスの不動産投資は東南アジアの他の国ほど知られてはいませんが、新興国ならではのさまざまなメリットがあります。下記に解説していますので、参考にして下さい。
経済成長に伴う不動産市場の拡大が期待できる
ラオスは近年外国からの投資・支援・連携を受け、著しい経済成長を見せている国です。国内では大規模なインフラ開発が進められており、首都圏においては都市景観も大きな変化が見られます。
主要なエリアにおいては商業施設やコンドミニアムが多数開発されており、生活・観光・物流の利便性も大幅に向上しつつあります。観光地においては観光産業が発達を見せており、リゾート施設・宿泊施設への投資需要が増加傾向です。
このような経済成長の恩恵により、不動産市場においても需要の拡大や不動産価値の向上が見込まれるのは、潜在的な投資機会を伺っている投資家にとって大きなメリットです。今後も経済成長は続くと予想されているため、投資家にとっては非常に魅力的な市場といえるでしょう。
先行者利益を得られる可能性が高い
ラオスの不動産市場は発展途上であり未成熟であるため、不動産投資を行うには不自由さやリスクが伴います。しかし、同国は他の東南アジア諸国と比べて相対的に不動産価格が安く、初期投資を抑制することが可能であり、市場の成長拡大に伴い資産価値上昇を狙うことができます。
ラオスの不動産投資は未成熟市場であるため競合が少なく、取引の不自由さやリスクを上手く克服できれば、早期参入による先行者利益が期待できるのがメリットと言えるでしょう。
同国は東南アジア最後のフロンティアとも言われており、まだ競合に抑えられていない投資機会は多数埋もれています。後発が参入する前に物件を抑えておけば、初期投資を抑えた高いリターンを得ることも不可能ではありません。
外国人投資家に対する優遇措置がある
ラオスでは、外資や技術の流入による新興市場活性化のため、外国人投資家の受け入れを積極的に推進しており、さまざまな優遇措置が採用されています。例えば、下記のような優遇措置があります。
- 経済特区(SEZ)においては法人税の軽減・輸出入税の免除・土地リース期間延長が認められる
- 投資額や業種によっては一定期間の減税や免税といった措置が適用される
- 不動産開発に必要な機材・設備の輸入時の税が免除される
- 投資手続きを簡略化するための窓口を設置
このような優遇措置を活用することで、外国人投資家はコスト削減・税負担軽減・取引の効率化といったさまざまなメリットを得られ、不動産投資の収益性を高めることができます。
政府の方針次第では今後さらに優遇措置が拡大する可能性もあるため、成長市場への参入を目指す投資家にとって魅力的な市場であると言えます。
ラオスで不動産投資を行うデメリット
ラオスでの不動産投資は、新興国であるがゆえのデメリットがあります。どのようなデメリットに注意すればよいのかを把握しておきましょう。
不動産市場が成熟していない
新興国であるラオスは経済が発展途上であり、不動産市場も十分に成熟していません。不動産業はGDP全体の7分の1程度と規模も小さく、物件の流動性が低いのが大きな課題です。
現実問題として取引相手はラオス人以外が大半を占め、売却時に適正価格で取引できる保証もないため、資金調達や損失回避が必要な場面においても意図した通りに現金化できない可能性があります。
また現地で信頼できるパートナーを見つけるのが難しく、管理不足や不正行為によるトラブルが発生しやすいというリスクもあります。インフラ整備も十分に行き届いていないため、物件価格の下落や維持管理費用の増加を招く可能性も否めません。
このように、先進国の不動産投資とは大きく異なり、さまざまな点で不自由があるため、現地で不動産投資を行うのであれば、信頼できるパートナーの選定と徹底したリスクマネジメントが重要となります。
法律や制度の整備が不十分
ラオスは他の新興国と同じく、所有権・賃貸権・契約など不動産取引に関する法律や制度が十分に整備されていないという課題もあります。不透明な部分や曖昧な部分が多く残されており、行政の汚職や腐敗も多いため、不動産取引におけるトラブルやリスクが発生する可能性があります。
土地の所有に関しても、ラオスでは土地が政府所有であるため、外国人は最長50年のリース契約で不動産投資を行う必要があります。しかし法制度が未整備で安定感もないため将来が見通せず、契約更新や条件変更などにおいてリスクが生じる可能性も否めません。
またラオスは社会主義国であるため、法律・政策など不動産投資を取り巻く環境が突然変化するリスクもあります。
このように、ラオスでは法律や制度の面においてさまざまな懸念点があるため、現地に精通したパートナーのサポートを受け、状況の変化やリスクに対応することが重要です。
カントリーリスクが高い
ラオスでは、国内で使用する通貨は「キープ(LAK)」と定められており、外貨の使用は禁止されています。しかし、キープは通貨として不安定で信用度が低く、経済情勢・世界情勢の影響を受けて変動する可能性が大きく、為替リスクが高い点に注意が必要です。
不動産投資を行う際には、外貨が使えない点と為替リスクがある点について十分に検討し、慎重な投資戦略を練ることが重要です。
また、ラオスでは台風や水害といった災害が比較的多く発生しており、災害への備えも十分でないため、自然災害に対する脆弱性が高いというリスクもあります。不動産物件やインフラが被害を受ける可能性もあるため、保険制度や災害対策を確認してリスクに備えておくことが大切です。
ラオスで不動産投資を行う方法・手順
ここでは、ラオスで不動産投資を行う方法と手順について、現地事情を踏まえつつ解説しています。ラオスでの不動産投資に興味がある方は参考にして下さい。
市場調査・事前準備を行う
未成熟市場であるラオスで不動産投資を成功させるには、十分な市場調査と事前準備を行うことが鍵となります。エリアごとの傾向・不動産相場・利回りなどについて可能な限り情報を集め、市場理解を進めるとともに、投資対象となるエリアと物件を絞り込んでいきましょう。現地事情・商習慣・治安・税金・法律についても、下調べを行い予備知識をつけておくことが重要です。
またラオスでは原則として現地通貨での取引を行う必要があるため、現地の銀行で口座の開設も済ませておきましょう。なお口座開設にはパスポート・ワークパミット・その他書類などが必要となります。
不動産エージェント・専門家を探す
先進国とは事情が異なり、法律も制度も整備されていないラオスでは、不動産投資のパートナーとなる不動産エージェントと専門家の選定が非常に重要です。不動産エージェントは情報収集・物件紹介・交渉・契約・購入手続きなど多岐に渡るサポートを依頼するため、対応範囲・実績・評判などを多角的に確認して、信頼できるエージェントを選びましょう。
法務や税務に関しても、現地事情に精通した専門家のサポートは必須となります。スムーズに不動産取引を進めるためにも、現地の法律・税制に詳しく正確なアドバイスとサポートを提供してくれる専門家を採用しましょう。
対象物件の決定・管理方法の検討
不動産エージェントから必要十分な情報を提供してもらい、検討を重ねて投資候補となる物件を絞り込みます。その後、エージェントとともに対象となる物件を視察し、物件の状態・周辺環境・生活インフラ・生活利便性などを多角的に確認します。現地を訪れてみないと分からない詳細な情報を判断するためにも、投資候補の物件は全て視察することが必須です。未成熟市場であるラオスにおいては、殊更重要であると言えるでしょう。
また、物件購入後の管理についても検討しておくことが重要です。海外不動産投資では不動産エージェントや現地の管理会社と契約して賃貸管理やメンテナンスを依頼するのが一般的となります。
管理を任せられる信頼できる会社を探しておくとともに、定期点検の頻度・内容・予算なども検討しておきましょう。
土地のリース契約・物件の購入契約を締結
不動産購入にあたって売買契約を結ぶ際には、現地の商習慣・法律・制度に精通していないと困難やトラブルが伴うため、不動産エージェントや専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。
ラオスは土地は国家のものであるため、不動産購入の際には土地の長期リース契約を結ぶ必要があります。土地取引では使用権移転のために、売買契約書・譲渡証明書・土地権利証といった書類が必要となります。これらが適切であるかチェックする必要があるため、専門家のサポートを受けることが重要です。
経済特区を利用して各種優遇措置を受ける際にも、さまざまな条件を満たす必要があり手続きも複雑であるため、専門家に相談して不備の内容に進めることが重要となります。
購入代金の支払
契約締結後は、不動産の購入代金を支払う必要があります。ラオスでは外貨の使用が原則として認められていないため、現地の銀行を通じた取引となります。振込手数料・為替手数料が必要となるため、必要な費用は事前に確認しておくことが重要です。
また、購入代金の支払いには、不動産取得税・登録料・税金の支払いも必要となるため、手続きのサポートを依頼するエージェントや専門家への手数料も発生します。
購入代金の支払にはこのようにさまざまな費用が発生するため、不動産購入をスムーズに進めるためにも、総額を把握して余裕を持った資金計画を立てておくことが重要です。
定期的な状況確認
新興国であるラオスでは、物件購入後の運用が非常に重要です。気候や自然災害の影響を受けやすいため定期的な確認とメンテンナンスは必須であり、賃貸収益の入金や入居者のトラブルにも迅速な対応が必要です。
日本とはあらゆる面において事情が異なるため、不動産価値を維持し安定的な収入を得るためにも、管理会社任せではなくオーナーが主体的に管理していく姿勢が重要となります。
また、売却・リース契約更新といった将来的なイベントに備え、市場動向の確認を行っておくことも重要です。売却時には信頼できるエージェント・専門家と連携して、適正価格でスムーズに売却できるよう準備しておくことが成功のポイントです。
ラオスの不動産投資で人気のエリア
ラオスの不動産投資は、首都ピエンチャン・第二の都市であるサワンナケート・観光地ルアンパバーンが人気のエリアです。各エリアの特徴についてそれぞれ解説します。
ビエンチャン
ビエンチャンは、ラオスの首都で政治経済の中心地です。各国の大使館が立ち並ぶ外交エリアであり、主要なビジネス拠点でもあります。
経済成長に伴い都市開発が進んでおり、ビジネスエリア・高級住宅エリアの需要が増加しており、外国人向けのアパート・コンドミニアム・商業ビルなどが人気を集めています。
首都としての成長性と利便性に支えられ、人が多く集まりビジネスも盛んなエリアであるため、投資家にとって安定した賃貸需要と利回りが期待できるのが魅力です。外国人居住用のコンドミニアムが次々に開発されているため、不動産投資に参入するチャンスであると言えるでしょう。
サワンナケート
サワンナケートは、ラオス中南部に位置する工業・物流の拠点として栄えている都市です。このエリアは外資企業の誘致による資本や技術の導入を図るため、税制上の優遇措置や規制緩和等の措置が設けられた経済特区(SEZ)となっており、外資系企業や海外投資家から注目を集めています。
産業の発展により産業用不動産・商業用物件・住宅用物件とさまざまな不動産需要が高まりつつあり、今後も経済の成長に伴い不動産需要や不動産価値の上昇が期待できます。不動産投資において、長期的視点で安定的な収益を得たい方には、おすすめのエリアと言えるでしょう。
ルアンパバーン
ルアンパバーンは、ユネスコ世界遺産にも登録されており、多くの観光客が訪れるラオス屈指の観光都市です。歴史的な寺院やフランス植民地時代の建築が多数残されており、その美しい街並みが多くの人々を魅力し、観光業の盛況を生み出しています。
特に、観光業に下支えされたリゾートホテル・ゲストハウス・レンタル物件の人気が高く、カフェ・レストラン・土産物店といった商業物件の需要も増加傾向にあります。
世界遺産の知名度と付加価値の効力は大きく、海外から人や投資も集まりやすいため、ラオスで不動産投資を行いたい方には非常におすすめのエリアと言えるでしょう。
新興国の特性を理解して投資機会を見つけよう!
ラオスの不動産市場は、経済成長・インフラ整備・観光需要の拡大といった要因により、今後も成長し続けることが期待できます。しかし、市場は未成熟であり法律や制度が十分に整備されていないといったリスクもあるため、情報収集・調査を十分に行い慎重に投資計画を立てることが重要となります。
ラオスの不動産投資は、新興国ならではの高い成長性・潜在的な需要・先行者利益が期待できますので、この投資機会を活かしてみてはいかがでしょうか。
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