フィリピンの不動産価格と推移|最新データから判明した実態とは
- フィリピン不動産価格と推移を2026年最新データで解説
- フィリピンのプレビルド物件の価格相場と推移
- フィリピンの中古物件の価格相場と推移
- フィリピンの住宅タイプ別の価格相場・推移
- フィリピンのコンドミニアムの価格相場と推移
- フィリピンの戸建ての価格相場と推移
- フィリピンの人気エリア別の不動産価格相場・推移
- マニラ首都圏(マカティ・BGCなど)
- 首都圏近郊(クラーク・タガイタイなど)
- セブ(メトロセブ)
- フィリピンの不動産市場の現状と今後の展望
- 物件価格は上がっているが住宅ローン件数は減少
- コンドミニアム空室率は2027年から低下の見通し
- フィリピン不動産投資で知っておきたい住宅ローン動向
- フィリピンの不動産価格の相場と推移を把握してエリア選びに活かそう
フィリピンの不動産価格は近年上昇を続けており、日本の投資家からも注目を集めています。
しかしひと口にフィリピンと言っても物件の種類やエリアによって相場も値動きも大きく異なります。
そこで本記事ではフィリピン中央銀行(BSP)の公的な最新レポートをもとに、フィリピンの不動産価格の相場と推移を物件種類別・人気エリア別に解説。
あわせて市場の現状と今後の展望、価格データの土台になっている住宅ローンの動向も紹介するので、フィリピン不動産投資を始める際の参考にしてください。
フィリピン不動産価格と推移を2026年最新データで解説

フィリピンにおける最新(2026年第1四半期)の住宅価格の中央値は約390万ペソ(約975万円)となっています。
内訳はコンドミニアムが約472万ペソ(約1,180万円)、戸建てが約339万ペソ(約848万円)で、コンドミニアムの方が高くなっています。
価格の推移を示すRPPIは、2026年第1四半期は全国で前年同期比4.5%の上昇でした。前期比でも2四半期続いたマイナスから5.6%のプラスに転じています。地域別の価格の中央値と指数は以下の表の通りです。
| 地域 | 価格の中央値(全タイプ) | 住宅価格指数(RPPI) | 前年同期比 | 前期比 |
| 全国 | 約390万ペソ(約975万円) | 156.7 | +4.5% | +5.6% |
| マニラ首都圏(NCR) | 550万ペソ(約1,375万円) | 160.5 | +3.5% | +10.4% |
| 首都圏近郊(バランスGMA) | 約359万ペソ(約898万円) | 166.4 | +9.7% | +4.3% |
| メトロセブ | 約438万ペソ(約1,096万円) | 150.0 | +9.4% | +1.3% |
| メトロミンダナオ | 約328万ペソ(約820万円) | 150.9 | +1.3% | +1.4% |
| その他の地域 | 約268万ペソ(約670万円) | 134.7 | -4.7% | -1.9% |
最も高いのは首都圏近郊の166.4で、マニラ首都圏の160.5を上回ります。
一方でその他の地域は134.7と全国平均を下回り、前年同期比でも唯一のマイナスとなりました。
フィリピンのプレビルド物件の価格相場と推移
Colliers(※1)によると2026年上半期にマニラ首都圏で売り出されたプレビルド物件は2,600戸、成約は1,700戸でした。
前年同期と比べると売り出しが64%の減少、成約が47%の減少です。成約の67%は180万〜359万ペソ(約450万〜898万円)の物件に集中しており、手頃な価格帯が現在の市場を支えている状態と言えます。
※1 The Manila Times「Demand rising: Houses and lots outside NCR, affordable condos in Metro Manila」
フィリピンの中古物件の価格相場と推移
フィリピンの中古物件取引市場は日本と事情が異なります。
BSP(※1)の統計によると2026年第1四半期に実行された住宅ローンのうち77.6%は新築向けで、中古(既存住宅)向けは22.0%に留まりました。フィリピンの住宅流通市場はまだ新築が中心で、中古市場は発展途上の段階にあります。
中古物件で特徴的なのは高級帯の値動きです。
英国の不動産コンサルティング会社Knight Frank(※2)によると、高級価格帯の中古物件について、2026年第1四半期は前年の同じ時期と比べて19.9%上昇。
世界の高級住宅価格指数ランキングも前年度が39位だったのに対し、2位まで急浮上しました。1年を通して見ると2025年第2四半期以降の上昇率は穏やかで、今後安定した推移が予測されています。
なお2026年第1四半期の中古(二次流通)高級住宅の提示価格は以下の通りです。
| 市区 | 高級中古住宅の提示価格(1㎡あたり) |
| タギッグ市(BGCなど) | 86万4,000ペソ(約216万円) |
| マカティ市 | 43万3,000ペソ(約108万円) |
| アラバン・マンダルヨン市 | 35万7,000ペソ(約89万円) |
首都圏で最も高いのはBGCを擁するタギッグ市ですが、アラバン・マンダルヨン市の提示価格は半分以下です。同じ首都圏の高級中古でもエリアによって単価に2倍以上の開きがあることがわかります。
※1 フィリピン中央銀行「Residential Property Price Index First Quarter 2026」9ページより
※2BusinessWorld「Manila climbs to 2nd in global prime home price index」
フィリピンの住宅タイプ別の価格相場・推移

次に住宅タイプ別の相場と推移を解説します。全国の価格の中央値と2026年第1四半期の値動きは、以下の表の通りです。
| 住宅タイプ | 価格の中央値(全国) | 前年同期比 | 前期比 | RPPIの構成比 |
| コンドミニアム | 約472万ペソ(約1,180万円) | +4.6% | +11.1% | 46.3% |
| 戸建て | 約339万ペソ(約848万円) | +3.9% | +0.8% | 53.7% |
価格の中央値はコンドミニアムが戸建てを上回る一方、BSPの価格指数の構成比は2026年時点でコンドミニアムが46.3%、戸建てが53.7%と、市場全体の流通量は戸建ての方が上回っています。
フィリピンのコンドミニアムの価格相場と推移
フィリピンでコンドミニアムの価格が戸建てを上回るのは、オフィス街や商業地に近い都市部に集中しているためです。
全国の価格中央値でも約472万ペソ(約1,180万円)と、住宅タイプの中では最も高い水準になっています(※1)。
RPPIは前年同期比4.6%の上昇、前期比では3四半期続いたマイナスから11.1%の大幅なプラスに転じました。
BSPは前期比11.1%の上昇について、市場全体の回復に加えてデベロッパーの積極的な販促と完成済み物件への柔軟な支払条件が背景にあると指摘しています。
エリア別で見るとマニラ首都圏(NCR)の前年同期比3.7%に対し、首都圏以外(AONCR)は8.4%の上昇と、伸びは地方の方が大きくなっています。
一方で取引件数は首都圏への集中が続いており、コンドミニアム向け住宅ローン3,566件のうち2,335件をマニラ首都圏が占めました。値上がりの勢いは地方、流動性の高さは首都圏という傾向です。
※1 フィリピン中央銀行「Residential Property Price Index First Quarter 2026」3・4・6ページより
コメント依頼:デベロッパーの積極性や柔軟な支払い条件など、実際に現地で見聞きしたことがあれば教えてください。
フィリピンの戸建ての価格相場と推移
フィリピン不動産投資の前提として日本人が個人で戸建てを購入することはできません。
フィリピンでは外国人が土地を所有できないためです。ここではフィリピンの戸建ての価格相場を紹介しますが、あくまで市場全体の動きを理解するための参考としてください。
BSPによればフィリピンにおける戸建てのRPPIは前年同期比3.9%、前期比0.8%の上昇と、コンドミニアムのような大きな変化はなく値動きは緩やかに推移しています(※1)。
特徴的なのはマニラ首都圏です。首都圏の戸建ての中央値は約836万ペソ(約2,090万円)と全地域・全タイプで最も高い一方、首都圏の戸建て向け住宅ローンは全国9,003件のうち285件しかありません。
首都圏の戸建ては高すぎて流動性が低い、もしくは現金取引が中心と考えられ、価格の手頃な首都圏近郊の物件が実需の中心になっていると言えます。
※1 フィリピン中央銀行「Residential Property Price Index First Quarter 2026」3・7ページより
フィリピンの人気エリア別の不動産価格相場・推移

続いてフィリピンのエリア別の不動産価格相場と推移を確認していきましょう。
ここではBSPの地域区分に沿って、マニラ首都圏(NCR)・首都圏近郊(バランスGMA)・セブ(メトロセブ)の3エリアを紹介します。
3エリアの価格の中央値を住宅タイプ別に並べると、以下の表の通りです。
| エリア | 全タイプ | コンドミニアム | 戸建て |
| マニラ首都圏(NCR) | 550万ペソ(約1,375万円) | 約532万ペソ(約1,330万円) | 約836万ペソ(約2,090万円) |
| 首都圏近郊(バランスGMA) | 約359万ペソ(約898万円) | 約362万ペソ(約905万円) | 約359万ペソ(約897万円) |
| メトロセブ | 約438万ペソ(約1,096万円) | 約394万ペソ(約984万円) | 約499万ペソ(約1,247万円) |
マニラ首都圏(マカティ・BGCなど)
マニラ首都圏はマカティ市、BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)のあるタギッグ市、ケソン市など、16市とパテロス町で構成されるフィリピン経済の中心地です。
価格の中央値は全タイプで550万ペソ(約1,375万円)と、全国平均を大きく上回ります。RPPIは160.5と全国平均の156.7より高い水準で、前年同期比3.5%、前期比10.4%の上昇でした。
中古の提示価格は1平方メートルあたりタギッグ市が86万4,000ペソ(約216万円)、マカティ市は43万3,000ペソ(約108万円)が目安です。
約2倍の価格差があることからも首都圏の中でもエリアによって価格帯が異なるため、不動産投資を始める際には予算・資金計画や投資目的を踏まえ、現地に詳しい不動産会社と相談しながら進めることが大切です。
首都圏近郊(クラーク・タガイタイなど)
首都圏近郊はBSPの区分で「バランスGMA」と呼ばれる首都圏に隣接する地域を指します。
対象地域にはクラーク経済特区のあるパンパンガ州、避暑地タガイタイのあるカビテ州、日系企業の工場が集まるラグナ州、新マニラ国際空港が建設中のブラカン州に加えて、バタンガス州とリサール州の計6州が含まれます。
RPPIは166.4と全地域で最も高く、前年同期比9.7%と伸び率でも首都圏を上回りました。
一方で価格の中央値は全タイプで約359万ペソ(約898万円)と首都圏の3分の2ほどの水準で、一般層も購入を検討できる価格帯が保たれています。
住宅ローン件数はフィリピン全体の9,003件のうち3,607件と、全体の約40%を占め、価格の手頃さと日々の暮らしやすさを背景にフィリピン国内の中でも強い実需に支えられたエリアと言えます。
セブ(メトロセブ)
リゾートと都市機能を併せ持つセブも価格上昇が続くエリアです。
BSPの区分の「メトロセブ」はセブ市・マンダウエ市・ラプラプ市など7市と周辺の町を指し、RPPIは前年同期比9.4%の上昇と、全国平均の4.5%を上回りました。
価格の中央値は全タイプで約438万ペソ(約1,096万円)と、首都圏より安く地方都市の中ではやや高めの水準です。
なおフィリピンの地方物件すべてが上がっているわけではありません。ダバオなどを含むメトロミンダナオは前年同期比1.3%の上昇に留まり、その他の地域はマイナス4.7%と下落しています。
同じフィリピンでもエリアによって値動きは大きく異なるため、投資先は地域単位の数字まで確認して選びましょう。
フィリピンの不動産市場の現状と今後の展望

続いてフィリピンの不動産価格・推移データの背景にある、市場の現状と今後の展望を解説します。
物件価格は上がっているが住宅ローン件数は減少
BSPのレポートにある通り、フィリピン全体の2026年第1四半期の住宅価格は前年同期比4.5%の上昇でしたが、同じ四半期の住宅ローン件数は前期比23.9%の減少を記録しています。
つまり価格と取引量が反比例している状態です。
BSPは背景として「住宅を買いたいと思う消費者心理の弱さと、銀行による住宅ローン審査の厳格化が取引量の低迷化につながった可能性」を挙げています。
このように価格の上昇だけを見て市場が好調と判断するのは危険です。実際の取引の勢いが伴っているかまで確認しておきましょう。
コンドミニアム空室率は2027年から低下の見通し
マニラ首都圏のコンドミニアムは供給過剰と空室率の悪化が続いており、物件価格が落ちる原因となってきました。
Colliers Philippinesは空室率が2026年に25%のピークを打ち、2027年には23.9%まで下がると予測(※1)しています。
また2026〜2028年新規の年間完成戸数は7,100戸予定と、2025年の7,400戸から絞られる見通しです。
売れ残り物件が少しずつ消化されていけば今後の値上がりへの好材料になります。
※1 BusinessWorld「Manila condo oversupply seen keeping vacancy high this year — Colliers」
フィリピン不動産投資で知っておきたい住宅ローン動向

最後にフィリピンの不動産取引における住宅ローンの動向を紹介します。
本記事でも紹介してきた住宅価格指数(RPPI)は、BSPが銀行の住宅ローンのデータをもとに作成している統計です。住宅ローンの動向を見れば、価格データがどのような取引に支えられているかが見えやすくなります。
まず2026年第1四半期の住宅ローン件数は全国で9,003件、前期比23.9%の減少でした。物件タイプ別の内訳は戸建てが60.4%、コンドミニアムが39.6%となり、地域別の件数と割合は以下の表の通りです。
| 地域 | 住宅ローン件数 | 全国に占める割合 |
| 首都圏近郊(バランスGMA) | 3,607件 | 40.1% |
| マニラ首都圏(NCR) | 2,620件 | 29.1% |
| その他の地域 | 1,733件 | 19.2% |
| メトロセブ | 565件 | 6.3% |
| メトロミンダナオ | 478件 | 5.3% |
| フィリピン全体 | 9,003件 | 100% |
件数が最も多いのは首都圏近郊で、マニラ首都圏を1,000件近く上回ります。価格水準では首都圏が突出する一方、実際に住宅ローンを組んで買われているのは近郊の物件という統計です。
また買い手の消費者心理はまだ弱いものの改善の兆しはあります。住宅購入に対する信頼感指数(CI)と、「購入に前向きな世帯」の割合は以下のように推移しました。
| 指標 | 2025年第1四半期 | 2025年第4四半期 | 2026年第1四半期 |
| 住宅購入の信頼感指数(CI) | -56.8% | -54.0% | -51.5% |
| 購入に前向きな世帯の割合 | 21.6% | 23.0% | 24.2% |
一方でBSPのレポート内では、ローン審査基準の厳格化により取引件数の本格的な回復にはもう少し時間がかかる可能性があるとも指摘されています。
あくまで楽観視は禁物ですが、今後のフィリピン不動産市場の上昇を見込んでプレビルド物件投資を検討するのも一つの戦略となるでしょう。
テーブル参照:フィリピン中央銀行「Residential Property Price Index First Quarter 2026」5・9ページ
フィリピン中央銀行「Residential Property Price Index First Quarter 2026」5ページより
フィリピンの不動産価格の相場と推移を把握してエリア選びに活かそう
フィリピンの住宅価格の中央値は全国で約390万ペソ(約975万円)、外国人の投資対象となるコンドミニアムは約472万ペソ(約1,180万円)で、住宅価格指数(RPPI)は前年同期比4.5%の上昇が続いています。
エリア別では首都圏近郊とセブが9%台の伸びで首都圏を上回りました。
一方で2026年第1四半期の住宅ローン件数が前期比23.9%減少した点や、価格の上昇と取引量にはずれがあることには注視が必要です。
マニラ首都圏のコンドミニアム空室率は2026年にピークを迎える見通しと好転的なデータも出ていますが、価格や利回りの数字だけで判断せず、狙うエリアの需要と供給の状況まで確認した上で慎重に投資計画を立てましょう。