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フィリピンの銀行口座は日本人でも作れる?非居住者が開設する際の条件

フィリピンにおいて日本に住んだまま口座を開設しようとすると、手続きのハードルがやや高めになるのが現状です。

本記事では日本人がフィリピンの銀行口座を開設する条件と、目的別に必要な書類を解説します。日本国内で手続きできる銀行や、口座を維持するときの注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

今回監修した壇上です!
これまで約10年間、カンボジア・フィリピン・インドネシアを中心に東南アジアで事業開発に携わってきました。
フィリピンには3年間在住し、現地法人のCEOも経験しています。現在は現地経験を活かしてハローグループを含む、東南アジアへの事業進出支援やコンサルティングを行っています。

フィリピンの銀行口座は日本人でも作れる?開設の条件

フィリピンペソの紙幣、コイン、スマートフォン、ノートのフラットレイの画像。

日本人でもフィリピンの銀行口座を開設することは可能です。

ただし条件は銀行と申込方法によって変わります。

たとえば日本から手続きを進められるフィリピン・ナショナル・バンク(PNB)では、口座開設の目的を証明する書類を提出し、事前の審査を通過する必要があります。以下では詳細を解説します。

非居住者でも口座は作れるが目的の証明が必要

PNBで口座を開設するには口座開設の目的を証明する書類を事前にメールで提出し、審査を通過する必要があります。

この審査を受けられるのはフィリピン国籍を持たない方で、日本に住む日本国籍の方も対象です。PNBが認めている目的は次の8つです。

【PNBが認めている口座開設の目的】

  • フィリピンでの不動産購入
  • 購入した不動産の賃料受け取り
  • 年金の受け取り
  • SRRV(特別居住退職者ビザ)保有者の貯蓄など
  • 1年を超える就労・研修にともなう給与の受け取り
  • 1年を超える留学・研修
  • ACR(外国人登録証)の保有
  • フィリピン国籍の方との間に生まれた19歳までの子、および元フィリピン国籍の方

目的ごとに提出する書類と条件が決まっており、書類が揃わなければ手続きは進められません。また不動産投資を目的にする場合は、物件の契約書が目的を証明する書類になります。

目的によってはビザや現地の住所が必要になる

銀行口座の開設時にはビザや現地住所が必要になるケースもあります。

PNBで不動産購入を目的にする場合、提出するのは物件の契約書と支払いスケジュールで、ビザは求められません。

一方で年金の受け取りを目的にする場合はACRか有効なSRRVが必要になり、観光ビザでは受け付けてもらえません。

またフィリピン最大手の銀行BDO(バンコ・デ・オロ)にも条件があります。

外国人によるオンラインでの申し込みには有効な居住ビザとフィリピン国内の住所が必要です。フィリピン現地の支店で直接申し込む場合の条件は公開されていないため、ジャパンデスクへ事前に確認しましょう。

日本人でも口座開設できるフィリピンの銀行

白い表面に積み重ねられ散らばったフィリピンペソ硬貨のクローズアップの画像。

日本人が口座開設を相談しやすいフィリピンの銀行として、PNB(フィリピン・ナショナル・バンク)とBDO(バンコ・デ・オロ)の2行をそれぞれ紹介します。

【日本支店あり】PNB(フィリピン・ナショナル・バンク)

PNBは東京支店と名古屋出張所を構えており、フィリピン国内にある600以上の支店の口座開設を日本で手続き可能です。

口座開設と休眠口座の再開は予約制で、来店が難しい方向けにビデオ会議での開設にも対応しています。

PNBではペソ建て・米ドル建ての普通預金、ペソ建ての当座預金、定期預金を扱っています。

日本人が利用できる定期預金は米ドル建てです。ただし口座開設だけの依頼は受け付けておらず、フィリピンへの送金予定があることが条件になります。

また口座開設と口座の維持には一定の残高を預けておく必要があります。日本人が開設できる主な口座の条件は次の通りです。

口座初回預け入れ最低維持残高年利
ペソ普通預金1万ペソ相当の日本円1万ペソ0.10%
ペソ当座預金1万ペソ相当の日本円+250ペソ(小切手帳代)1万ペソ―
ペソ当座預金(バジェット)2万5,000円5,000ペソ―
米ドル普通預金7万円500ドル0.025%

なお当座預金はどの支店でも開設できるわけではありません。ボニファシオ・グローバル・シティ(タギッグ市)やサンロレンソ、レガスピ・ビレッジ(いずれもマカティ市)など指定された支店に限られる点に注意しましょう。

【日本語対応可】BDO(バンコ・デ・オロ)

BDOはフィリピン最大手の銀行で日本人向けの「ジャパンデスク」を設けています。

ペソ普通預金やペソ当座預金、米ドル普通預金、外貨普通預金について日本語で相談が可能です。

口座開設の申し込みには身分証明書が2点必要です。1点目はパスポートや運転免許証など、2点目は政府が発行した顔写真付きのものを用意します。どちらも原本でかつ有効期限内である必要があります。

申込書は担当者からメールで届き、審査の過程で追加の書類を求められる場合もあります。

BDOでも銀行口座の開設と維持にあたって、一定の残高が求められます。主な個人口座の条件は次の通りです。

口座初回預入額最低月間平均残高年利
ペソ普通預金(ATM式)2,000ペソ2,000ペソ0.0625%
ペソ普通預金(通帳式)5,000ペソ1万ペソ0.0625%
ペソ当座預金5,000ペソ5,000ペソ―
米ドル普通預金200ドル500ドル0.05%

BDOのペソ普通預金は通帳式とATM式の2種類があります。

通帳式は通帳で取引と残高を管理する口座で、ATM式はデビットカードが付き、フィリピン国内のATMや世界中の店舗・オンラインでの支払いに使えます。

ATM式のペソ普通預金は初回預入額と最低月間平均残高がどちらも2,000ペソ(約5,000円)で、通帳式より低く設定されています。

なおBDOには日本国内で預金口座を開設できる支店はありません。

※ただし有効な居住ビザとフィリピン国内の住所を持つ外国人は、オンラインで口座開設を申し込めます。

条件を満たさない場合や、非居住者が開設できる具体的な口座種類についてはジャパンデスクへ確認しましょう。

フィリピンの銀行口座を開設する際に必要な書類

男性が書類にサインをしているクローズアップの画像。

フィリピンの銀行口座を開設する際に求められる書類は口座開設の目的で変わります。

ここからは不動産購入と老後の移住の2つに分けて確認していきましょう。

不動産購入が目的の場合

PNBで不動産購入を目的に口座を開設するには、物件の支払いと送金をPNB Japan経由で行うことが前提になります。

クレジットカード払いや他の経路での送金を予定している場合、口座開設のサポートは受けられません。

この前提を満たした上で、次の4点の書類を提出します。

【不動産購入を目的とする場合の必要書類】

  • 公証を受けた売買契約書(Contract to Sell)と支払いスケジュール、または予約契約書(Reservation Agreement)と支払いスケジュール
  • 支払いをPNB Japan経由で行う旨の誓約書(PNB Japanで入手可能)
  • 身分証明書(マイナンバーカードまたは通知カード、パスポート、運転免許証か健康保険証)
  • 収入証明(確定申告書または源泉徴収票)

契約書には売主と買主の氏名・署名・署名日、売主側の担当者の役職、物件名や部屋番号の記載が必要です。

支払いスケジュールだけでは受け付けてもらえず、収入証明も通帳のコピーや勤務先の証明書では認められない点に注意しましょう。

なお購入後に家賃を受け取る口座として使う場合は、公証を受けた賃貸契約書とコンドミニアム権利証(CCT)などの提出も必要です。

老後の移住が目的の場合

老後の移住を目的にPNBで銀行口座を開設するルートは2つあります。

1つは年金の受け取りを目的にする方法、もう1つはSRRV(特別居住退職者ビザ)を持つ方が貯蓄などの目的で開設する方法です。年金の受け取りを目的にするなら、次の4点を提出します。

【年金の受け取りを目的とする場合の必要書類】

  • ACR(外国人登録証)または有効なSRRV
  • フィリピンへ渡航する航空券
  • 年金手帳の原本
  • 年金事務所の所定書類

ACRはフィリピンの入国管理局が発行する外国人の登録証です。申し込みを受け付けてもらえるのは、渡航の1カ月前からとなっています。

すでにSRRVを保有している方は、貯蓄など年金以外の目的でもPNBで銀行口座を開設できます。

SRRVはフィリピン退職庁(PRA)が扱う長期滞在ビザで、40歳以上の方が定められた預託金を預けると取得できます。滞在期間の制限がなく何度でも出入国できる点が特徴です。

フィリピンへの移住の準備段階で観光ビザしか持っていない場合、どちらの目的でも申し込めません。ACRかSRRVを取得してから銀行口座の開設手続きに進む流れになります。

フィリピンの銀行口座を開設する流れ

パソコン作業しているスーツ姿の男性の画像。

フィリピンの銀行口座開設をPNBの東京支店・名古屋出張所で申し込む場合、次の流れで手続きを進めます。

【口座開設の流れ】

  1. 必要書類をメールで送り、事前審査を受ける(3営業日以上)
  2. 審査を通過したら来店の予約を取る
  3. 予約日に身分証明書と必要書類を持参して申し込む(ビデオ会議での開設も可能)
  4. 初回預け入れと送金を行う
  5. 通帳やATMカードなどが郵送で届く(6週間ほど)

口座開設の際にかかる手数料としては、初回預け入れ時の送金手数料が3,000円、ATMカードの郵送手数料が610円、通帳や定期預金証書などの郵送手数料が520円です。

必要書類が不足していると来店しても手続きできないため、事前審査の段階で不備がないかを十分確認しておきましょう。

なおBDOのオンライン申し込みの場合はPNBと流れが異なります。

申込書に記入した後、顔写真と署名のある身分証明書と、その身分証明書を手に持った本人写真を提出します。その後Microsoft Teamsのビデオ通話で担当者の審査を受け、承認から7日以内に入金する流れです。

フィリピンの銀行口座を作る際の注意点

水色の背景と虫眼鏡の画像。

続いてフィリピンで銀行口座を作る際に押さえておきたい以下の5つの注意点をご紹介します。

  • 必要書類の事前審査がある
  • 一定の預金額を下回ると手数料が発生する
  • ATMカードが発行されない場合がある
  • 金利は予告なく変更される
  • 数年取引がないと口座が休眠状態になる

必要書類の事前審査がある

フィリピン国籍を持たない方が銀行口座を開設する場合、PNBでは来店前にメールで書類審査を受けます。

事前審査が必要な手続きは「口座開設」「休眠口座の再開」「フィリピンの口座から日本へ資金を戻す申し込み」の3つです。

審査の結果が届くまでには3営業日以上かかるほか、最初の審査を通過した後で追加の書類を求められる場合もあります。

その後の来店は予約制で、書類が不足した状態では手続きを進められません。渡航や引っ越しの予定に合わせて口座を用意したい方は、逆算して1カ月ほどの余裕を見ておくと安心です。

一定の預金額を下回ると手数料が発生する

フィリピンの銀行口座には種類ごとに「最低維持残高」が定められています。残高が基準を下回ると手数料が引かれる点に注意が必要です。

たとえばPNBのペソ普通預金であれば1万ペソ以上を維持する必要があり、下回った月は350ペソの手数料が差し引かれます。米ドル建ての普通預金は500ドルが基準で、下回ると10ドルの手数料が発生します。

BDOも仕組みは同じです。

ATM式のペソ普通預金は2,000ペソ、通帳式は1万ペソが基準で、必要な月間平均残高を2カ月続けて下回ると300ペソが差し引かれます。米ドル建ての普通預金は500ドルが基準で、下回ると5ドルの手数料です。

フィリピンの銀行に少額を置いたまま放置すると、毎月の利息よりも手数料が上回ることになります。使う予定のない資金を寝かせるのではなく、支払いや家賃の受け取りに使う口座として運用しましょう。

ATMカードが発行されない場合がある

PNBの場合、不動産購入を目的に開設できる口座は通帳式の普通預金と当座預金の2種類です。

賃料の受け取りを目的にする場合は通帳式の普通預金だけで、いずれの場合でもATMカードは発行されない点に注意が必要です。

カードがなければ現地のATMから引き出せないため、日本の口座へ資金を移すためにはその都度海外送金が必要です。

送金手続きはフィリピンの取引支店へ直接連絡して進めることになりますが、すべて英語で手続きする必要があります。

英語での手続きに不安がある場合、PNB Japanに問い合わせることで日本語で取り次いでもらうことも可能です。その際には代行手数料として1万円かかる点に注意しましょう。

ただしATMカードがなくても自身の口座はPNBのアプリから確認できます。銀行口座を開設したら早めにアプリの登録を済ませておくと口座状況を把握しやすくなります。

金利は予告なく変更される

フィリピンの銀行口座における預金金利は市場の動きに応じて変わり、予告なく改定されます。最新の金利は取引する支店かPNBの公式サイトで確認しましょう。

預金金利の水準そのものは高くありません。

BDOのペソ普通預金の年利は0.0625%で、受け取った利息には20%の源泉税がかかります。PNBの場合も年利0.1%程度なので、金利を目的に銀行口座に多めの資金を入れておく必要はありません。

数年取引がないと口座が休眠状態になる

フィリピン中央銀行(BSP)の規則では当座預金は1年、普通預金は2年にわたって入出金がないと休眠口座に区分され、さらに10年間動きがないと、国庫へ引き渡す手続きの対象になります。

PNBの休眠手数料はペソ建てで30ペソ、米ドル建てで10ドルです。再開には5,000円の手数料と、口座開設と同じ事前審査が必要です。

なおBDOのペソ普通預金では、口座が休眠状態にあり、かつ残高が最低月間平均残高を下回っている場合、30ペソの休眠手数料が発生します。

なお休眠になる前の通知は銀行に登録した連絡先へ届きます。日本の住所やメールアドレスを変えたときは、口座の登録情報も合わせて更新しておきましょう。

フィリピンの銀行口座を用意して不動産投資の準備を進めよう

日本人でもフィリピン不動産投資のための銀行口座は開設できます。ただしPNBで日本から開設サポートを受けるなら、口座開設の目的を証明する書類を提出し、事前の審査を通過する必要があります。

日本から手続きを進めるなら、東京支店と名古屋出張所を持つPNBか、日本語で相談できるジャパンデスクのあるBDOが候補になります。ただしBDOのオンライン申し込みには居住ビザと現地の住所が必要なため、ビザを持たずに日本から開設する場合はPNBがおすすめです。

なお口座開設後は一定の残高を下回ると手数料が差し引かれたり、入出金がないと休眠口座に区分されてしまったりする場合がある点にもご注意ください。ATMカードが発行されない口座も多いので、フィリピンから日本へ資金を戻す手段も含めて開設前に確認しておきましょう。








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